第110回I問題44:食道内ボタン電池の誤飲|第110回医師国家試験I44

第110回医師国家試験 I44(2016年)

正答:a

問題

1歳の男児。ボタン電池を飲み込んだことを主訴に母親に連れられて来院した。30分前に目覚まし時計で遊んでいて、突然、機嫌が悪くなった。目覚まし時計の中のボタン電池がないのに母親が気付いた。流涎と軽度の咳とを認めるが、呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 11)を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

a.直ちに摘出する。

b.Heimlich法を行う。

c.翌日の再診を指示する。

d.催吐薬を投与し排出を促す。

e.1時間後に再度エックス線写真を撮影する。

胸部エックス線写真(別冊No. 11)
別冊No. 11 / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

胸部X線でボタン電池が食道内に停滞しています。食道内ボタン電池は短時間でも粘膜障害・穿孔を起こすため、緊急内視鏡で直ちに摘出します。正解はaです。

画像の見方

食道内に円形のボタン電池を認める。

各選択肢の検討

a.食道内ボタン電池は緊急摘出の対象です。誤飲から30分であっても経過観察せず、ただちに摘出します。

b.Heimlich法は気道異物による窒息への処置であり、食道内電池を取り出す方法ではありません。

c.食道内電池では粘膜損傷が時間とともに進行するため、翌日まで待機できません。

d.催吐は誤嚥や食道損傷の危険があり、電池の排出方法として用いません。

e.再撮影を1時間後まで待つ間にも組織傷害が進むおそれがあり、位置確認後すみやかに摘出します。

覚えるポイント

ボタン電池が食道内にある場合は、摂食の有無や症状の軽さにかかわらず緊急摘出が必要です。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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