第110回医師国家試験 I31(2016年)
正答:b
問題
急性腹症における開腹所見(別冊No. 7)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
a.S 状結腸軸捻転症
b.絞扼性イレウス
c.単純性イレウス
d.腸重積症
e.麻痺性イレウス

正答の理由
別冊写真では腸管が暗赤色から黒色にうっ血・壊死し、絞扼による腸管血流障害が示唆される。閉塞に加えて腸間膜血流が障害される絞扼性イレウスが最も考えられる。
各選択肢の検討
a.S状結腸軸捻転でも血流障害を伴いうるが、写真で変色しているのは小腸のループであり、S状結腸に限局した捻転像ではない。
b.腸管の暗赤色・黒色変化は静脈還流障害から虚血・壊死に至った所見であり、絞扼性イレウスが最も合致する。
c.単純性イレウスは腸管血流が保たれる閉塞で、写真の壊死性変化を説明しにくい。
d.腸重積症では腸管が肛門側へ陥入する病態で、写真の所見から最も考える病名ではない。
e.麻痺性イレウスは腸管運動の低下による機能的閉塞で、局所的な腸管血流障害・壊死は典型でない。
覚えるポイント
腸閉塞で腸管壁が暗赤色・黒色なら絞扼による血流障害を考え、緊急対応する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(I問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- 手術で確認された絞扼性イレウス103例における腸管壊死の検討
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。