第110回医師国家試験 I30(2016年)
正答:a
問題
急性心筋炎を疑わせる症候でないのはどれか。
a.左室壁のびまん性の菲薄化
b.先行する感冒様症状
c.ST-T 異常
d.奔馬調律
e.腹部症状
正答の理由
急性心筋炎は感冒様前駆症状の後に心不全、不整脈、心電図異常などを呈し、重症小児例では腹痛・嘔吐などの腹部症状が前景に立つこともある。左室壁のびまん性菲薄化は慢性拡張型心筋症を示唆する構造変化で、急性心筋炎の典型的症候ではない。
各選択肢の検討
a.左室壁のびまん性菲薄化は慢性の心室リモデリングを示唆し、急性心筋炎を疑わせる典型所見ではないため正しい。
b.感染後の感冒様症状に続いて発症する経過は心筋炎でみられる。
c.心筋炎ではST-T変化など非特異的心電図異常を呈しうる。
d.心機能低下に伴う奔馬調律は心不全の徴候として心筋炎を疑わせる。
e.特に小児では腹痛・嘔吐などの消化器症状で心筋炎が発症することがある。
覚えるポイント
急性心筋炎は感冒様前駆症状、心電図変化、心不全所見を組み合わせて疑う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(I問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- 日本循環器学会:心エコー図検査ガイドライン
- American Heart Association:小児心筋炎の科学声明紹介
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。