第110回医師国家試験 I7(2016年)
正答:c
問題
子宮頸部細胞診とコルポスコピィで異常所見を認めた患者に狙い組織診を行った。その際の H-E 染色標本(別冊No. 1 A、B)を別に示す。
診断はどれか。
a.子宮頸癌
b.萎縮性腟炎
c.子宮頸部異形成
d.クラミジア頸管炎
e.トリコモナス腟炎

正答の理由
別冊標本では重層扁平上皮の成熟は保たれつつ、表層側に核周囲明庭を持つコイロサイト様細胞がみられ、子宮頸部異形成(CIN)に合致する。
各選択肢の検討
a.上皮基底膜を越える浸潤性増殖を示す所見はなく、子宮頸癌とは診断できません。
b.萎縮性腟炎は閉経後などの菲薄化した上皮と炎症所見が主体で、本標本の上皮内異型を説明しません。
c.表層のコイロサイト様変化と上皮内異型はHPV関連の子宮頸部異形成を示唆します。
d.クラミジア頸管炎では円柱上皮の炎症が中心で、扁平上皮のコイロサイト様変化は説明しません。
e.トリコモナス腟炎は原虫と炎症所見を伴い、標本にみられる上皮内異型とは異なります。
覚えるポイント
子宮頸部生検では上皮内の異型を評価し、基底膜を越える浸潤がなければ浸潤癌ではなくCINとして扱う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(I問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- 日本病理学会 Pathology Core Pictures: Cervical intraepithelial neoplasia
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。