第110回医師国家試験 H29(2016年)
正答:d
問題
29 56歳の男性。四肢の筋けいれんを主訴に来院した。炎天下で道路工事をしていた。午後になり、気分不快とふらつきが出現し、四肢に筋けいれんが生じるようになってきたため同僚に付き添われて受診した。朝から尿が出ていないという。意識レベルは JCS I-2。体温 37.2 °C。脈拍 100/分、整。血圧 104/70 mmHg。呼吸数18/分。皮膚、口腔粘膜、舌および腋窩は乾燥している。頸静脈の虚脱を認める。血液生化学所見:総蛋白 8.3 g/dL、アルブミン 4.5 g/dL、血糖 98 mg/dL、尿素窒素 46 mg/dL、クレアチニン 2.0 mg/dL、尿酸 7.8 mg/dL、Na 138 mEq/L、K4.8 mEq/L、Cl 98 mEq/L。
治療として適切なのはどれか。
a.血液透析
b.ドパミン投与
c.フロセミド投与
d.生理食塩液点滴
e.重炭酸ナトリウム投与
正答の理由
炎天下での作業後に筋痙攣、口腔・皮膚乾燥、頸静脈虚脱、乏尿があり、BUN 46 mg/dL、Cr 2.0 mg/dLと腎前性腎障害を示す。まず循環血液量を補う等張晶質液(生理食塩液)を点滴する。
各選択肢の検討
a.誤り。高度脱水だけで透析適応とはならず、まず循環血液量を補正する。
b.誤り。ドパミンは脱水による循環血液量不足を是正せず、腎保護目的の投与も推奨されない。
c.誤り。利尿薬は脱水を悪化させ、循環血液量をさらに減らす。
d.正しい。脱水による腎前性腎障害と乏尿に対し、生理食塩液で細胞外液を補充する。
e.誤り。重炭酸投与を要する高度の代謝性アシドーシスは提示されていない。
覚えるポイント
脱水・循環血液量減少による腎前性腎障害では、原因に応じて等張液で補液する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。