第110回医師国家試験 F21(2016年)
正答:e
問題
72歳の男性。散歩中に転倒し、左腰部の疼痛と歩行不能のため救急車で搬入された。精査の結果、左大腿骨頸部骨折が認められ、人工股関節置換術を行うことになった。入院時の患者に対する説明は表を用いて行った。その表には入院から手術前、手術当日、手術後および退院までの日程と、それぞれの期間における到達目標、治療内容および安静度が記載されている。
この表の説明で正しいのはどれか。
a.主治医ごとに作成される。
b.我が国ではほとんど普及していない。
c.記載されている日程は変更できない。
d.主な目的は平均在院日数の短縮である。
e.医療者と患者の間で情報共有に活用できる。
正答の理由
入院から退院までの標準的な診療計画、治療内容、安静度、到達目標を患者と医療者で共有するためのクリニカルパスである。患者の状態に応じて予定を見直すもので、在院日数短縮だけを目的としない。
各選択肢の検討
a.誤り。パスは診療科・施設等で標準化して作成し、個々の主治医ごとに独立作成するものではない。
b.誤り。クリニカルパスは日本の医療機関でも広く導入されている。
c.誤り。標準予定は患者の病状や回復経過に応じて変更される。
d.誤り。在院日数の適正化は期待される効果の一つだが、主目的は標準的な医療の共有と質の改善である。
e.正しい。予定、治療、安静度、到達目標を患者と医療者が共有するために用いる。
覚えるポイント
クリニカルパスは標準的な診療計画を患者・医療者間で共有し、必要に応じて修正する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。