第110回医師国家試験 F17(2016年)
正答:e
問題
38歳の男性。全身の筋肉痛と倦怠感とを主訴に来院した。生来健康だったが、半年ほど前に脂質異常症であることが判明し、自宅近くの診療所で内服治療を行っていた。3か月前から治験に参加し、治験担当医でもあるかかりつけ医から治験薬を投与されていた。3日前から全身に軽度の筋肉痛があり倦怠感が出てきたため、夕食後に総合病院の救急外来を受診した。血液生化学所見:CK 400 IU/L(基準30〜140)、尿素窒素20 mg/dL、クレアチニン1.2 mg/dL。治験担当医に連絡をしようとしているときに、患者から「今日の夕食後の治験薬をまだ飲んでいないがどうすれば良いか」と質問された。
救急外来の医師の対応として適切なのはどれか。
a.「内服を寝る前に変更してください」
b.「いつもの時間で内服してください」
c.「鎮痛薬と一緒に内服してください」
d.「明日の朝食後から内服してください」
e.「担当医と連絡がとれるまで内服しないでください」
正答の理由
治験薬服用中に筋痛とCK上昇が出現しており、薬剤性筋障害が懸念される。投与を続けたり時刻を独自に変更したりせず、治験担当医に連絡が取れるまで次の治験薬を保留する。
各選択肢の検討
a.誤り。服用時刻を寝る前へ変更する指示は治験実施計画書にない投与変更であり、医師が独断で行えない。
b.誤り。筋痛とCK上昇があり薬剤性筋障害の可能性があるため、原因薬の服用継続を指示すべきではない。
c.誤り。鎮痛薬併用で症状を隠して治験薬を続けることは安全性を損ね、相互作用も確認されていない。
d.誤り。翌朝からの再開も治験担当医の判断なしに決められず、有害事象評価前の再投与となる。
e.正しい。治験薬との関連が疑われる症状とCK上昇を認めるため、次回分を保留して治験担当医へ連絡し、指示を受ける。
覚えるポイント
治験中の有害事象が疑われたら次回投与を保留し、治験担当医へ速やかに連絡する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。