第110回医師国家試験 F3(2016年)
正答:d
問題
降圧薬を服用中の高齢患者から「時々、薬を飲み忘れます」と申告があった。
この患者の服薬アドヒアランスの把握と指導のために最も有用なのはどれか。
a.降圧薬の血中濃度を測定する。
b.認知機能評価の心理テストを行う。
c.診療録に記載された血圧の推移を確認する。
d.再受診時に飲み残した薬剤を持参してもらう。
e.お薬手帳で他の医療機関の処方薬を確認する。
正答の理由
飲み残した薬を持参してもらえば、実際の残薬量から飲み忘れの程度を直接確認し、服薬方法の工夫を患者と相談できます。血圧推移や認知機能、併用薬の確認も診療上有用ですが、服薬状況そのものの把握には残薬確認が最も直接的です。
各選択肢の検討
a.誤り。血中濃度は薬剤や採血時刻に左右され、通常の降圧薬の飲み忘れを調べる方法として実用的ではありません。
b.誤り。認知機能低下の有無は服薬支援を考える情報ですが、飲み忘れの実態を直接示しません。
c.誤り。血圧の推移は治療効果をみる情報ですが、飲み忘れ以外の要因でも変動します。
d.正しい。残薬の数と処方日数を照らすと、服薬の実態を具体的に評価して服薬支援につなげられます。
e.誤り。他院の処方薬の確認は重複投薬や相互作用の把握に重要ですが、飲み忘れの程度の確認には直接なりません。
覚えるポイント
服薬アドヒアランスは患者を責めず、残薬など具体的な情報から一緒に評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。