第110回医師国家試験 C1(2016年)
正答:b
問題
検査前確率(事前確率)について正しいのはどれか。
a.感度と特異度から算出する。
b.病歴聴取の情報量により変化する。
c.検査後確率(事後確率)の影響を受ける。
d.主訴が同一なら診療所と病院で変化しない。
e.疾患を有する人の中で検査が陽性となる確率のことである。
正答の理由
検査前確率は、検査を行う前に患者が対象疾患を有する確からしさで、疾患頻度に加えて病歴・症状・診察所見から見積もります。したがって病歴聴取の情報量により変化します。検査の感度・特異度は検査特性であり、検査後確率や感度そのものの定義とは異なります。
各選択肢の検討
a.誤り。感度・特異度は検査の性能を表す指標で、患者ごとの検査前確率を直接算出するものではありません。
b.正しい。病歴から得られる症状や危険因子によって、検査前確率は変化します。
c.誤り。検査後確率は検査前確率と検査結果をもとに更新されます。検査後確率が検査前確率を決めるのではありません。
d.誤り。同じ主訴でも、疾患頻度や紹介患者の背景が異なるため診療場所によって検査前確率は変わり得ます。
e.誤り。疾患を有する人のうち検査陽性となる確率は感度です。
覚えるポイント
病歴・診察所見と有病率が検査前確率を形づくり、検査結果で検査後確率へ更新する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題 C(問題冊子 p.1–5)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- Oxford大学CEBM:Likelihood Ratios
- 診断検査の尤度比と検査前確率(総説、本文)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。