第110回医師国家試験 B35(2016年)
正答:d・e
問題
慢性炎症に伴う貧血で上昇するのはどれか。2つ選べ。
a.血清鉄
b.総鉄結合能
c.アルブミン
d.フェリチン
e.ヘプシジン
正答の理由
炎症性サイトカイン(特にIL-6)は肝でのヘプシジン産生を高め、フェロポルチンを抑制して鉄の吸収・マクロファージからの放出を低下させる。貯蔵鉄を反映するフェリチンは急性期蛋白でもあり上昇する。血清鉄と総鉄結合能は低下する。
各選択肢の検討
a.誤り。炎症時はヘプシジン増加により鉄が隔離され、血清鉄は低下する。
b.誤り。炎症ではトランスフェリンが減少し、総鉄結合能は通常低下する。
c.誤り。アルブミンは陰性急性期蛋白で、炎症時には低下しやすい。
d.正しい。フェリチンは急性期蛋白であり、慢性炎症では上昇しやすい。
e.正しい。IL-6などの炎症刺激により肝臓でのヘプシジン産生が増える。
覚えるポイント
炎症性貧血では鉄利用制限により血清鉄低下、フェリチン上昇、TIBC低下となる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- Ganz T, Nemeth E. Iron sequestration and anemia of inflammation. Semin Hematol. 2009
- 厚生労働省:第110回医師国家試験B問題
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。