第110回医師国家試験 A47(2016年)
正答:b
問題
6歳の女児。けいれん発作の原因精査のため母親に連れられて来院した。昨夕、急に口から唾液を流して右の口角が引きつった後、全身けいれんへと進展する発作が起きた。発作は3分ほどで自然に止まったが、母親が救急車を要請した。搬入時には意識は清明で、神経学的異常を認めなかったため、特に検査や治療を受けずに帰宅した。本日経過観察のため受診した。3か月前にも同じような発作を起こしたことがあるという。それ以外の既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。神経学的所見を含め身体所見に異常を認めない。本日施行した脳波(双極誘導)(別冊No.16)を別に示す。
この患児で正しいのはどれか。
a.発達の遅れを伴う
b.睡眠時に発作が多い
c.ACTH療法の適応である
d.過呼吸によって発作が誘発される
e.頭部MRIに異常を認めることが多い

正答の理由
睡眠中に口角のひきつりや流涎などの顔面・口腔咽頭症状から始まり、全身けいれんへ進展する発作を反復し、脳波で中心側頭部棘波を認める。発達や神経診察が正常な学童では、自然軽快しやすい小児てんかん症候群を考える。
各選択肢の検討
a.典型例では発達は正常で、発達遅滞は必須ではない。
b.正しい。発作は睡眠中、とくに夜間に多い。
c.ACTH療法は点頭てんかんなどに用い、本症候群の標準治療ではない。
d.過呼吸で誘発される欠神発作の特徴ではない。
e.画像は通常正常で、MRI異常が多いとはいえない。
覚えるポイント
睡眠中の口腔顔面発作と中心側頭部棘波は小児てんかんの特徴。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(A問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題別冊(No.16 脳波)
- ILAE EpilepsyDiagnosis.org: Self-limited epilepsy with centrotemporal spikes (diagnostic criteria)
- ILAE EpilepsyDiagnosis.org: EEG
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。