第110回医師国家試験 A23(2016年)
正答:b
問題
75歳の男性。発熱を主訴に来院した。糖尿病腎症による腎不全のため10年前から血液透析療法を受けている。1か月前、内シャントが閉塞し、透析のためカテーテルを2週間留置した。2週前から食欲不振と微熱が出現し、昨日、透析後から悪寒と戦慄を伴う38℃台の発熱が出て救急外来を受診した。脈拍100/分、不整。血圧100/60 mmHg。今まで認められなかった心尖部を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球320万、Hb 9.0 g/dL、Ht 28%、白血球10,500、血小板9.8万。血液生化学所見:AST 34 IU/L、ALT 9 IU/L、LD 231 IU/L(基準176〜353)、尿素窒素35 mg/dL、クレアチニン5.0 mg/dL。CRP 14 mg/dL。血液培養検体を提出した。次に行う検査はどれか。
a.胸部CT
b.心エコー検査
c.腹部血管造影
d.腹部超音波検査
e.上部消化管内視鏡検査
正答の理由
透析用カテーテル留置後の発熱・悪寒、炎症反応上昇、新規心尖部収縮期雑音は感染性心内膜炎を疑う所見です。提出済みの血液培養に続いて心エコーで疣贅や弁逆流を評価します。
各選択肢の検討
a.誤り。胸部CTはこの段階の第一選択検査ではありません。
b.正しい。感染性心内膜炎の疑いでは心エコーで弁・疣贅を評価します。
c.誤り。腹部血管造影は所見に合わず、初期評価ではありません。
d.誤り。腹部超音波では心内膜炎を評価できません。
e.誤り。上部消化管内視鏡は新規心雑音と菌血症疑いの評価になりません。
覚えるポイント
発熱・菌血症疑い・新規雑音があれば、血液培養と心エコーで感染性心内膜炎を評価する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(A問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- 日本循環器学会:2026年改訂版感染性心内膜炎診療ガイドライン
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。