第109回医師国家試験 I70(2015年)
正答:d
問題
70 30歳の男性。大企業の営業職。気分が晴れず職場に行くことができないことを主訴に妻に付き添われて来院した。3か月前に商品納入のトラブルで取引先の会社の担当者に罵倒され、その後、自責の念が強くなり、抑うつ気分、早朝覚醒および倦怠感が続き、3日前から会社に行けないと休むようになった。2週前の会社の健康診断では異常を指摘されていない。身体所見、臨床検査および画像検査で異常を認めない。
抑うつへの治療とともにとるべき対応として適切なのはどれか。
a.労働災害の認定をする。
b.労働基準監督署に連絡する。
c.直ちに転職することを勧める。
d.産業医にも相談することを勧める。
e.取引先の産業医に状況を確認する。
正答の理由
仕事上のトラブルを契機に抑うつ症状と就業困難が生じています。治療に加え、本人の同意を得て職場の産業医に相談し、就業上の配慮や職場復帰を検討するのが適切です。
各選択肢の検討
a.労災認定は医師が診察時に決定するものではなく、所定の行政手続で判断されます。
b.この時点で労働基準監督署へ医師が直ちに連絡することが標準対応とは限りません。
c.直ちに転職を勧めるのではなく、治療と職場での調整を検討します。
d.正しい。本人の同意のもと産業医と連携し、業務負荷の調整や休業・復職支援を検討します。
e.取引先の産業医への照会は守秘義務と個人情報の観点から不適切です。
覚えるポイント
仕事上のトラブルを契機に抑うつ症状と就業困難が生じています。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。