第109回医師国家試験 I66(2015年)
正答:d
問題
66 52歳の男性。胸やけを主訴に来院した。半年前から食後に約30分続く胸やけがあり1か月前から増悪してきたため受診した。数年前から寒冷時に指が白くなることに気付いていた。1年前から両手指、手背および前腕の皮膚がつまめなくなり、両手の指腹に小潰瘍を認めていた。手の写真(別冊 No. 23)を別に示す。
最も考えられる疾患はどれか。
a.ペラグラ
b.結節性多発動脈炎
c.クリオグロブリン血症
d.全身性硬化症〈強皮症〉
e.全身性エリテマトーデス〈SLE〉

正答の理由
Raynaud現象に続く皮膚硬化、指腹潰瘍、胸やけ(食道運動障害)という組合せは全身性硬化症に合います。
各選択肢の検討
a.ペラグラはナイアシン欠乏による皮膚炎、下痢、認知・精神症状が中心で、Raynaud現象や皮膚硬化を説明しません。
b.結節性多発動脈炎では中型血管炎による臓器虚血を来しますが、皮膚硬化と食道症状の組合せは典型的でありません。
c.クリオグロブリン血症は紫斑、関節痛、腎障害や末梢神経障害を来し得ますが、びまん性皮膚硬化が主徴ではありません。
d.正しい。Raynaud現象、皮膚硬化、指尖潰瘍と逆流症状は全身性硬化症の血管・皮膚・消化管病変に合います。
e.SLEでは皮膚・関節・腎病変などがみられますが、皮膚硬化とRaynaud現象を主徴とする本例には合いません。
覚えるポイント
Raynaud現象に続く皮膚硬化、指腹潰瘍、胸やけ(食道運動障害)という組合せは全身性硬化症に合います。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- The 2024 British Society for Rheumatology guideline for management of systemic sclerosis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。