第109回医師国家試験 I58(2015年)
正答:d
問題
58 48 歳の女性。 2 回経妊 2 回経産婦。月経痛を主訴に来院した。 5 年前から子宮筋腫を指摘されている。最近、月経時の下腹部痛が強くなったため受診した。月経周期は 26 日型、整。持続 10 日間。血液所見:赤血球 340 万、Hb 6.0 g/dL、Ht 26 %、 白血球 4,200、血小板 33 万。骨盤部 MRI の T2 強調矢状断像(別冊 No. 19)を別に示す。子宮摘出手術を行うこととした。 それまでの管理として投与すべきでないのはどれか。
a.鉄剤
b.止血薬
c.鎮痛薬
d.エストロゲン
e.GnRH アゴニスト

正答の理由
子宮筋腫による過多月経と高度貧血があり、手術まで出血を抑え貧血を改善する必要がある。エストロゲン単独投与は筋腫のホルモン依存性を考えると、この目的の治療として選ばない。ただし低用量ホルモン配合薬やGnRH治療時の少量add-backは別の条件で用いられ得る。
各選択肢の検討
a.鉄剤高度貧血があり鉄補充は手術前管理として適切である。
b.止血薬過多月経への止血薬は出血を抑える選択肢である。
c.鎮痛薬疼痛を抑える鎮痛薬は症状管理に用いられる。
d.エストロゲン単独投与は筋腫縮小や過多月経の術前管理に適さない。ただしエストロゲンを含む配合薬や少量add-backが常に禁忌という意味ではない。
e.GnRHアゴニスト GnRHアゴニストで卵巣ホルモンを抑制し、術前に筋腫縮小や出血軽減を図る場合がある。
覚えるポイント
子宮筋腫による過多月経と高度貧血には、術前に出血抑制と貧血改善を図る。エストロゲン単独投与はその目的に適さないが、低用量配合薬やGnRH療法のadd-backは条件により用いられる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。