マイコプラズマ肺炎とマクロライド耐性|第109回医師国家試験I30

第109回医師国家試験 I30(2015年)

正答:e

問題

マイコプラズマ肺炎で正しいのはどれか。

a.重症肺炎が多い。

b.50歳代に最も多い。

c.比較的徐脈を呈することが多い。

d.Gram染色で陰性桿菌が観察される。

e.マクロライド系抗菌薬耐性株が5年前と比較して増加している。

正答の理由

正答はe。出題当時は国内でマクロライド耐性マイコプラズマの出現・拡大が問題となっていた。ただし「5年前」は2010年前後との比較であり、後年公表された全国小児検体の2008–2015年調査をそのまま根拠にはできない。同調査の耐性率は2010年69.0%、2012年81.6%、2015年43.6%で、2012年をピークに低下した。地域・年齢層・検体集団でも率は異なる。マイコプラズマは細胞壁を欠きGram染色で菌体を同定できない。

各選択肢の検討

a.肺炎の重症度は一様ではなく、重症例が多いとはいえない。

b.小児・若年者で多く、50歳代が最多ではない。

c.比較的徐脈は非定型肺炎で知られることがあるが、マイコプラズマ肺炎にしばしば認める所見ではない。

d.M. pneumoniaeは細胞壁を欠くため、Gram染色で陰性桿菌として観察されるわけではない。

e.公式正答。出題当時の耐性株増加を問うが、2010年と2015年の同一小児全国調査では増加を示さず、時期・集団を限定しない現在の一般論にはできない。

覚えるポイント

耐性菌の増加は歴史的傾向として理解し、後年の耐性率の低下を含む時系列の変化も踏まえる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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