第109回医師国家試験 G57(2015年)
正答:a
問題
38歳の女性。労作時息切れを主訴に来院した。幼少時に先天性僧帽弁狭窄症と診断され、経過観察されていた。1年前から買い物で長時間歩くと息切れを自覚していた。最近は家事でも息切れを生じるようになってきた。今回、精査の結果で人工弁置換術を施行する予定となった。人工弁の種類(生体弁または機械弁)の選択において考慮すべきなのはどれか。
a.挙児希望
b.う歯の有無
c.左室収縮能
d.僧帽弁の石灰化の程度
e.三尖弁閉鎖不全症の合併
正答の理由
機械弁では血栓塞栓症予防のため長期抗凝固療法が必要で、妊娠中のワルファリンには胎児への影響がある。妊娠希望は機械弁・生体弁の選択に重要なためaを考慮する。
各選択肢の検討
a. 挙児希望正しい。妊娠中は機械弁に伴う抗凝固療法の管理と母児リスクが問題となるため、挙児希望を弁選択時に検討する。
b. う歯の有無う歯は感染性心内膜炎予防などの問題だが、弁の機械・生体選択を直接左右する主要因ではない。
c. 左室収縮能左室収縮能は手術適応や予後評価に重要だが、弁種選択の中心的な患者要因ではない。
d. 僧帽弁の石灰化の程度僧帽弁石灰化は手術手技・弁病変の評価に関わるが、人工弁の種類を決める要因ではない。
e. 三尖弁閉鎖不全症の合併三尖弁閉鎖不全の合併も弁種の選択を直接決定しない。
覚えるポイント
機械弁を選ぶと長期抗凝固療法が必要となるため、妊娠の可能性や希望を術前に確認する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 第109回医師国家試験問題(G問題)
- 第109回医師国家試験正答値表
- 2020 ACC/AHA Heart Valve Disease Guideline: Key Perspectives, Part 3
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。