第109回医師国家試験 G45(2015年)
正答:e
問題
66歳の男性。町工場経営。左手首の切創の治療を希望し、かかりつけの診療所に1人で受診した。受傷の状況を尋ねると「気付いたら自分でナイフで切っていた」と言葉少なに答える。表情は陰うつである。傷は浅く出血は止まっている。
切創の処置を終えたあと、まず行うべきなのはどれか。
a.家族を呼ぶ。
b.精神科受診を勧める。
c.工場の経営状態を尋ねる。
d.向精神薬の服用を勧める。
e.抑うつ症状について尋ねる。
正答の理由
正しい。自傷の経緯と抑うつ症状、自殺念慮・計画を本人に丁寧に尋ね、危険度と必要な対応を評価する。
各選択肢の検討
a. 家族を呼ぶ。 安全確保に家族の協力が必要なことはあるが、本人への直接評価をせず先に家族だけを呼ぶのは適切でない。
b. 精神科受診を勧める。 精神科への紹介を考える前に、本人から自傷の意図・抑うつ・自殺念慮などを評価する。
c. 工場の経営状態を尋ねる。 経営状況は背景要因として後に確認し得るが、最初に抑うつ・自殺リスクを評価する。
d. 向精神薬の服用を勧める。 評価前の経験的な向精神薬導入は適切でない。
e. 抑うつ症状について尋ねる。 正しい。自傷の経緯と抑うつ症状、自殺念慮・計画を本人に丁寧に尋ね、危険度と必要な対応を評価する。
覚えるポイント
自傷後は傷の処置だけで終えず、本人に抑うつ症状や自殺念慮・計画を直接確認して安全性を評価する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 第109回医師国家試験問題(G問題)
- 第109回医師国家試験正答値表
- Assessment for self harm/suicide in persons with priority mental, neurological and substance use disorders
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。