第109回医師国家試験 G22(2015年)
正答:d
問題
22 胎児・新生児期の循環で誤っているのはどれか。
a.胎児の心臓は右室優位である。
b.胎児の静脈管は生理的な短絡路である。
c.左房圧の上昇によって卵円孔は閉鎖する。
d.動脈血酸素分圧は上半身より下半身で高い。
e.酸素濃度の上昇は動脈管閉鎖の要因である。
正答の理由
胎児では卵円孔を通る血流により比較的酸素化の高い左心系血が上行大動脈から頭部・上半身へ送られる。一方、右室由来の血液は動脈管を通じて下行大動脈へ流れるため、酸素分圧は下半身より上半身で高い。
各選択肢の検討
a.正しい。胎児では肺血管抵抗が高く、右室拍出量が左室拍出量を上回る右室優位の循環である。
b.正しい。静脈管は臍静脈血の一部を肝類洞を迂回して下大静脈へ送る胎児期の生理的短絡路である。
c.正しい。出生後に肺血流が増えると左房圧が右房圧を上回り、卵円孔弁が押し付けられて機能的閉鎖する。
d.誤り。上半身には左室から比較的酸素化の高い血液が供給され、右室から動脈管を経て下半身へ向かう血液は相対的に酸素分圧が低い。
e.正しい。出生後の酸素分圧上昇は動脈管平滑筋を収縮させ、動脈管閉鎖を促す。
覚えるポイント
胎児循環では卵円孔と動脈管による短絡があり、上半身の血液の方が下半身より酸素化が高い。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 第109回医師国家試験問題(G問題)
- 第109回医師国家試験正答値表
- Fetal Physiology and the Transition to Extrauterine Life
- Overview of Congenital Cardiovascular Anomalies|MSD Manual Professional
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。