第109回医師国家試験 E19(2015年)
正答:d
問題
ある化学物質について、ヒトの発がん性を調べた疫学研究では発がん性の十分な証拠が得られたが、動物実験では発がん性が認められなかった。
ヒトへの発がん性評価について正しいのはどれか。
a.発がん性の判定は保留する。
b.新たに細胞実験を行って判定する。
c.動物の種を変えて動物実験を行う。
d.ヒトの疫学研究に基づいて判定する。
e.化学物質の生体内代謝に基づいて判定する。
正答の理由
設問ではヒトの疫学研究で発がん性の十分な証拠が得られています。ヒトに対する発がん性は、動物実験で陰性でも、ヒト疫学研究の十分な証拠に基づいて判定します。
各選択肢の検討
a.誤り。十分なヒト疫学的証拠があるため、動物実験の陰性だけを理由に判定を保留しません。
b.誤り。細胞実験は機序を補う証拠ですが、既にある十分なヒト疫学的証拠を置き換える必須試験ではありません。
c.誤り。動物種を変えた実験は追加情報になり得ますが、ヒトで十分な疫学的証拠がある本問の評価を決める条件ではありません。
d.正しい。発がん性の十分なヒト疫学的証拠は、ヒトに対する発がん性評価の直接の根拠になります。
e.誤り。代謝情報は機序評価を補助しますが、十分な疫学的証拠が得られた本問で、それだけを根拠に判定するものではありません。
覚えるポイント
ヒトに対する発がん性評価では、十分な疫学的証拠を直接の根拠とする。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。