心房中隔欠損症の手術|第109回医師国家試験D54

第109回医師国家試験 D54(2015年)

正答:a

問題

54 63 歳の男性。動悸と労作時息切れとを主訴に来院した。 3 年前の健康診断で心拡大を指摘されたが無症状であるため医療機関を受診しなかった。 1 週前から動悸を自覚するようになり、坂道を歩くと息切れを感じるため受診した。脈拍 104/分、 不整。血圧 122/78 mmHg。SpO₂ 97 %(room air)。胸骨左縁第 2 肋間を最強点とする収縮期雑音とII音の固定性分裂とを聴取する。肝を 3 cm 触知する。下腿に軽度の浮腫を認める。12 誘導心電図(別冊 No. 26A)、胸部エックス線写真(別冊 No. 26B)及び心エコー図(別冊 No. 26C、D)を別に示す。 今後の方針として適切なのはどれか。

a.心内修復術

b.在宅酸素療法

c.血栓溶解療法

d.ペースメーカ植込み

e.カテーテルアブレーション

心電図と胸部X線写真
別冊No.26 A、B / 出典:厚生労働省・第109回D別冊(原本の該当ページ)
心エコー図(C、D)
別冊No.26 C、D / 出典:厚生労働省・第109回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

固定性II音分裂と肺動脈領域の収縮期雑音、心エコーでの心房間短絡と右心負荷から心房中隔欠損症です。症候性で右心系容量負荷があり、選択肢では心内修復術が適切です。欠損の形態によってはカテーテルによる閉鎖も選択肢になりますが、eのカテーテルアブレーションは別の治療です。

画像の見方

厚生労働省別冊の物理ページ32にNo.26 A(心電図)・B(胸部X線写真)、物理ページ33にNo.26 C・D(心エコー図)を原本画像で確認。

各選択肢の検討

a.心内修復術。心房中隔欠損による右心系容量負荷が症状と心拡大を来しており、閉鎖術を検討します。

b.在宅酸素療法。在宅酸素療法は低酸素血症を伴う慢性呼吸不全への治療で、欠損孔の根本治療ではありません。

c.血栓溶解療法。血栓溶解療法は血栓性閉塞への治療で、本例の先天性短絡に適しません。

d.ペースメーカ植込み。ペースメーカは高度徐脈や伝導障害に用い、今回の原因病態を治療しません。

e.カテーテルアブレーション。カテーテルアブレーションは頻拍性不整脈の治療であり、心房中隔欠損そのものは閉鎖できません。

覚えるポイント

固定性II音分裂と右心負荷は心房中隔欠損症を示唆し、閉鎖適応を評価します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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