第109回医師国家試験 D50(2015年)
正答:b
問題
50 34 歳の女性。 4 年間の不妊を主訴に来院した。月経周期は 29 日型、整。19 歳時に骨盤腹膜炎の診断で抗菌薬投与を受けた既往がある。子宮卵管造影で両側の卵管水腫と診断し、腹腔鏡下手術を施行した。手術時の肝周囲の写真(別冊 No. 24)を別に示す。 この所見の原因として考えられる病原体はどれか。
a.アニサキス
b.クラミジア
c.リステリア
d.トリコモナス
e.バクテロイデス

正答の理由
肝表面に特徴的な線維性癒着を認めます。卵管水腫と骨盤腹膜炎の既往も合わせ、クラミジア感染に伴うFitz-Hugh-Curtis症候群と判断します。
画像の見方
厚生労働省別冊の物理ページ29で、別冊No.24のラベルと図版を原本画像で確認。図版内容: 腹腔鏡下の肝周囲写真。
各選択肢の検討
a.アニサキス。アニサキスは魚介類摂取後の消化管寄生虫症で、肝周囲癒着の原因ではありません。
b.クラミジア。クラミジア感染による骨盤内炎症性疾患が肝被膜へ波及すると肝周囲炎を来します。
c.リステリア。リステリアは食中毒や新生児感染などの原因菌で、Fitz-Hugh-Curtis症候群とは関連しません。
d.トリコモナス。トリコモナスは腟炎の原因ですが、肝周囲癒着を起こす病原体ではありません。
e.バクテロイデス。バクテロイデスは嫌気性菌で腹腔内感染の原因となることはありますが、本例の病歴に合う典型病原体ではありません。
覚えるポイント
肝周囲の線維性癒着と卵管炎の組合せはFitz-Hugh-Curtis症候群を示します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。