自閉スペクトラム症の診断特性|第109回医師国家試験D3

第109回医師国家試験 D3(2015年)

正答:a

問題

3 自閉症について正しいのはどれか。

a.感覚過敏を伴うことが特徴である。

b.適切な育児によって愛着は形成される。

c.1歳前後で人見知りや後追いが激しい。

d.知的発達の遅れを伴うものは約30%である。

e.言葉が現れればコミュニケーションが成立するようになる。

正答の理由

自閉スペクトラム症では社会的コミュニケーション・対人相互作用の持続的な困難に加え、限定反復行動の一つとして感覚入力への過敏または鈍麻が診断基準に含まれます。感覚過敏は全員に必須ではありませんが、公式正答はaです。知的発達の遅れを伴う割合は集団と評価法で異なり、約30%という報告もあるため、dを普遍的に誤りとは断定できません。

各選択肢の検討

a.正しい。DSM-5の限定反復行動の基準には、感覚入力への過敏・鈍麻、または感覚面への特異な関心が含まれます。すべての人に必ず出るという意味ではありません。

b.誤り。自閉スペクトラム症は養育の不適切さが原因で愛着が形成されない病気ではありません。適切な養育で診断上の社会的コミュニケーション特性が消えるわけでもありません。

c.誤り。人見知りや後追いは一般的な発達過程にもみられ、自閉スペクトラム症の診断を特徴づける所見ではありません。

d.公式正答には含まれません。ただし、知的発達症の併存率は調査集団や評価法で異なり、約30%とする報告もあります。2012年の米国調査では知的能力の情報がある自閉スペクトラム症児の31.6%が知的障害域でした。この数値だけで一律に誤りとはいえない点に注意します。

e.誤り。発語の出現だけで相互的な意思疎通が成立するとは限りません。語用、非言語的やりとり、相互性にも困難があり得ます。

覚えるポイント

感覚過敏・鈍麻は自閉スペクトラム症の限定反復行動の診断基準に含まれる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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