小児腸重積に対する注腸整復|第109回医師国家試験C23

第109回医師国家試験 C23(2015年)

正答:e

問題

1歳の女児。夕方にイチゴジャム様の便を認めたため母親に連れられて来院した。今朝から嘔吐を数回認め、間欠的に機嫌が悪かった。身長75 cm、体重8.8 kg。体温37.0℃。脈拍108/分、整。SpO₂ 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟であるが、臍部右横に5 cm大の軟らかい腫瘤を触知する。腹部超音波像(別冊No.3)を別に示す。

a.「抗菌薬を処方します」

b.「鎮痛薬をお尻に入れます」

c.「制吐薬をお尻に入れます」

d.「すぐに開腹手術が必要です」

e.「圧をかけた浣腸による整復が必要です」

腹部超音波像。腸管壁が同心円状に重なる腸重積の所見。
別冊No.3:腹部超音波像 / 出典:厚生労働省・第109回C別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

間欠的な不機嫌と嘔吐、イチゴジャム様便、腹部腫瘤があり、超音波像も腸重積に合致します。循環動態が保たれ、腹膜炎や穿孔の記載がないため、外科チームと連携して空気または造影剤による注腸整復を行うのが基本です。

画像の見方

別冊p9のNo.3超音波画像を目視し、腸管の同心円状の重なりを確認。

各選択肢の検討

a.不適切。腸重積は細菌感染が原因ではなく、抗菌薬だけでは腸管の嵌入を解除できません。

b.鎮痛は必要に応じて行いますが、直腸投与だけでは腸重積の整復になりません。

c.制吐薬は嘔吐への対症療法にすぎず、腸管の嵌入を解除しません。

d.不適切。腹膜炎、穿孔、ショックなどがあれば手術が必要ですが、全例で最初から開腹するわけではありません。

e.正しい。腸重積には透視または超音波ガイド下の空気・造影剤注腸による非手術的整復を試みます。穿孔や腹膜炎があれば禁忌で、外科対応できる体制で実施します。

覚えるポイント

小児腸重積に対する注腸整復。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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