第109回医師国家試験 A23(2015年)
正答:e
問題
23 22 歳の女性。不眠と、まとまらない言動とを心配した家族に伴われて来院した。 3 年前に母親を亡くした後に、まとまらない言動を示し、約 1 か月の入院加療で完全寛解に至り仕事に復帰した。その後、通院加療を受けていたが、 1 年前から通院を中断していた。10 日前から友人と海外旅行に行ったが、不眠が続き何かにおびえているような態度を示すようになった。昨日、帰国後もおびえた様子で眠らず、 とりとめのないことを呟き、急に攻撃的になったため受診した。診察時、質問に返答することはなく視線を合わせず黙り込んだかと思うと「今、真理をつかむために神と話し合っている。邪魔するな」と興奮状態となった。神経学的所見、血液所見、 血液生化学所見、脳波所見および頭部単純 CT に異常を認めない。
治療薬として最も適切なのはどれか。
a.ジアゼパム
b.バルプロ酸
c.パロキセチン
d.炭酸リチウム
e.リスペリドン
正答の理由
過去にまとまらない言動を呈して寛解し、治療中断後に幻覚妄想と興奮が再燃しています。器質的疾患を示す検査異常はなく、統合失調症の再発が最も考えられ、抗精神病薬であるリスペリドンを用います。
各選択肢の検討
a.ジアゼパム:誤り。鎮静目的で補助的に用いる場合はありますが、精神病症状の再発を治療する薬ではありません。
b.バルプロ酸:誤り。躁病やてんかんなどの治療薬で、統合失調症の中核症状への第一選択ではありません。
c.パロキセチン:誤り。抗うつ薬であり、幻覚・妄想の急性増悪には適しません。
d.炭酸リチウム:誤り。双極性障害の気分安定薬であり、本例の精神病再発への第一選択ではありません。
e.リスペリドン:正しい。再発した統合失調症の幻覚・妄想に対して抗精神病薬を再導入します。
覚えるポイント
統合失調症の再発では抗精神病薬による急性期治療を行う。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。