第108回医師国家試験 I77(2014年)
正答:a・e
問題
77 12 歳の男児。頭痛と嘔吐とを主訴に来院した。 2 か月前から起床時に頭痛があり、時に嘔吐を伴うという。意識は清明。頭部造影 MRI の T1 強調矢状断像(別冊 No. 32)を別に示す。この疾患の特徴はどれか。 **2つ選べ**。
a.水頭症
b.網膜血管腫
c.両耳側半盲
d.血清 CEA 高値
e.放射線高感受性

正答の理由
造影MRIでは小脳虫部ではなく松果体部に腫瘤があり、中脳水道の閉塞による水頭症を伴う。思春期男児の松果体部腫瘍として胚細胞腫(ジャーミノーマ)が考えられ、放射線感受性が高い。画像だけで組織型は確定できないが、設問の特徴と正答の組合せに最も合う。
各選択肢の検討
a.正しい。松果体部腫瘍が中脳水道を圧迫・閉塞すると閉塞性水頭症を生じ、頭痛・嘔吐の原因となる。
b.誤り。網膜血管腫はvon Hippel-Lindau病でみられ、松果体部ジャーミノーマの特徴ではない。
c.誤り。両耳側半盲は視交叉部の障害に典型的で、松果体部病変では通常みられない。
d.誤り。血清CEA高値はジャーミノーマの特徴ではない。胚細胞腫瘍ではAFPやhCGなどを評価する。
e.正しい。ジャーミノーマは放射線感受性が高く、放射線療法が治療の柱となる。
覚えるポイント
思春期男児の松果体部腫瘍では胚細胞腫を考え、中脳水道閉塞による水頭症を評価する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- Childhood Central Nervous System Germ Cell Tumors Treatment (PDQ®)–Health Professional Version
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。