S状結腸癌の手術|第108回医師国家試験I64

第108回医師国家試験 I64(2014年)

正答:c

問題

64 69歳の女性。血便を主訴に来院した。 3か月前から便に血液が付着していることに気付いていた。便器の水が血で染まる色が徐々に濃くなったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。下部消化管内視鏡検査による回盲部から約 20 cm 肛門側の写真(別冊 No. 25A)と肛門から約 30 cm 口側の写真(別冊 No. 25B)とを別に示す。写真Aの病変に対しては内視鏡的粘膜切除が行われ、病理所見は腺腫であった。同時に行った写真Bの病変に対しては生検が行われ、病理所見は腺癌であった。胸腹部・骨盤部造影 CT で肺や肝臓などの主要臓器に転移を認めない。

対応として適切なのはどれか。

a.内視鏡的粘膜下層剝離術

b.右半結腸切除術

c.S 状結腸切除術

d.低位前方切除術

e.大腸全摘術

回盲部から約20 cm肛門側の大腸内視鏡像。病理は腺腫。
別冊No.25A(I問題64) / 出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)
肛門から約30 cm口側の大腸内視鏡像。病理は腺癌。
別冊No.25B(I問題64) / 出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

写真Bは肛門縁から約30 cm口側のS状結腸にある腺癌であり、遠隔転移は認めない。病変部と所属リンパ節を含めた腸管切除としてS状結腸切除術を行う。写真Aの腺腫は既に内視鏡的粘膜切除されており、右半結腸切除や大腸全摘の適応を示す所見はない。

各選択肢の検討

a.誤り。生検で腺癌と確認された病変には、粘膜下層までの早期病変であるとの情報がなく、内視鏡的切除単独を選ぶ根拠がない。

b.誤り。腺癌は回盲部近傍ではなく、肛門から約30 cm口側の病変Bであるため右半結腸切除の部位ではない。

c.正しい。病変BはS状結腸に位置する腺癌であり、所属リンパ節を含むS状結腸切除術が適切である。

d.誤り。低位前方切除術は直腸癌に対する術式であり、病変部位は直腸ではない。

e.誤り。大腸全摘を要する多発癌や遺伝性疾患などの情報はない。

覚えるポイント

腫瘍の局在に応じて腸管と所属リンパ節を切除する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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