前縦隔腫瘤の鑑別検査|第108回医師国家試験I45

第108回医師国家試験 I45(2014年)

正答:e

問題

45 27歳の女性。前胸部痛を主訴に来院した。3週前から前胸部痛が出現し、次第に悪化したため受診した。喫煙歴はない。意識は清明。身長160 cm、体重52 kg。脈拍60/分、整。血圧108/70 mmHg。呼吸数16/分。SpO₂ 98 %(room air)。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球460万、Hb 11.9 g/dL、Ht 40 %、白血球7,300、血小板17万。胸部エックス線写真(別冊 No. 13A)と胸部造影 CT(別冊 No. 13B)とを別に示す。

診断する上で必要性が**低い**検査項目はどれか。

a.可溶性 IL-2 受容体

b.α-フェトプロテイン〈AFP〉

c.絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉

d.抗アセチルコリン受容体抗体

e.アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉

胸部X線写真と造影CT。前縦隔の腫瘤性陰影を示す。
別冊No.13 A・B(I問題45) / 出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

画像では前縦隔腫瘤が示されます。鑑別にはリンパ腫、胚細胞腫瘍、胸腺腫が含まれ、それぞれ可溶性IL-2受容体、AFP・hCG、抗アセチルコリン受容体抗体が診断の手掛かりになります。ACEはサルコイドーシスで測定されることがありますが、前縦隔腫瘤の初期鑑別における優先度は低い検査です。

各選択肢の検討

a.誤り。可溶性IL-2受容体はリンパ腫などのリンパ増殖性疾患を考える際の補助検査です。

b.誤り。AFPは非セミノーマ性胚細胞腫瘍などの血清腫瘍マーカーで、前縦隔腫瘤の鑑別に用います。

c.誤り。hCGも胚細胞腫瘍の腫瘍マーカーで、前縦隔腫瘤の鑑別に有用です。

d.誤り。胸腺腫は重症筋無力症を合併することがあるため、抗アセチルコリン受容体抗体は関連疾患の評価に役立ちます。

e.正しい。ACEはサルコイドーシスを疑う場合の補助検査ですが、前縦隔腫瘤の主要な鑑別であるリンパ腫・胚細胞腫瘍・胸腺腫の初期評価では他の検査より必要性が低いものです。

覚えるポイント

前縦隔腫瘤では年齢・画像に応じ、リンパ腫、胚細胞腫瘍、胸腺腫を検討する検査を選びます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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