深部静脈血栓症の治療|第108回医師国家試験H32

第108回医師国家試験 H32(2014年)

正答:a

問題

次の文を読み、31、32の問いに答えよ。

48歳の女性。左下肢の腫脹を主訴に来院した。

現病歴:3日前から特に誘因なく急に左下腿の腫脹、疼痛が出現した。

既往歴:2年前から更年期障害に対してホルモン補充療法を受けている。

生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:特記すべきことはない。

現症:意識は清明。身長154 cm、体重65 kg。体温36.8 ℃。脈拍92/分、整。血圧110/72 mmHg。呼吸数15/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢の写真(別冊No. 5)を別に示す。左下肢には部分的に表在静脈拡張が認められ、左下肢全体に圧痛を認めた。

この疾患の治療として適切なのはどれか。

a.抗凝固療法

b.利尿薬投与

c.股関節離断術

d.経皮血管形成術

e.リンパ管静脈吻合術

別冊No.5。左下肢が右側に比べて腫脹し、皮膚色が変化している。
別冊No.5(H31、32):下肢写真 / 出典:厚生労働省・第108回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

片側下肢の腫脹・疼痛と血栓リスクから考える深部静脈血栓症では、肺血栓塞栓症への進展を防ぐため、禁忌がなければ抗凝固療法を行います。利尿薬や血管形成術、リンパ管静脈吻合術は血栓を治療する方法ではなく、股関節離断術の適応もありません。

各選択肢の検討

a.抗凝固療法:深部静脈血栓症の基本治療で、肺血栓塞栓症への進展・再発を防ぎます。正答です。

b.利尿薬投与:血栓そのものを治療せず、基本治療ではありません。

c.股関節離断術:深部静脈血栓症の治療適応ではありません。

d.経皮血管形成術:通常の下肢深部静脈血栓症の初期治療ではありません。

e.リンパ管静脈吻合術:リンパ浮腫の一部に行う手術で、静脈血栓を治療しません。

覚えるポイント

急性深部静脈血栓症の基本治療は、出血リスクを評価したうえでの抗凝固療法である。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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