肺癌に伴う上大静脈症候群|第108回医師国家試験H27

第108回医師国家試験 H27(2014年)

正答:e

問題

27 66歳の男性。胸部違和感を主訴に来院した。1週前から持続性の前胸部の違和感を感じるようになった。自宅近くの診療所を受診し胸部エックス線写真で異常を指摘されたため紹介されて受診した。身長170 cm、体重65 kg。脈拍68/分、整。血圧130/72 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を45年間。初診時の胸部エックス線写真(別冊No. 4A)と胸部造影CT(別冊No. 4B)とを別に示す。

出現しやすい症候はどれか。

a.嗄声

b.縮瞳

c.脱力感

d.上腕のしびれ

e.顔面と上肢の浮腫

別冊No.4A。胸部X線で右上縦隔に大きな腫瘤影がある。
別冊No.4A(H27):胸部エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第108回H別冊(原本の該当ページ)
別冊No.4B。造影CTで右上縦隔腫瘤がみられ、上大静脈を圧迫している。
別冊No.4B(H27):胸部造影CT / 出典:厚生労働省・第108回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

胸部X線と造影CTでは右上縦隔に大きな腫瘤があり、上大静脈を圧迫する肺癌・縦隔腫瘍が疑われます。上大静脈の還流障害では頭頸部や上肢の静脈圧が上がり、顔面・上肢の浮腫が出現しやすくなります。嗄声や縮瞳なども腫瘍の部位によって起こり得ますが、選択肢中では上大静脈症候群を示す浮腫が最も典型的です。

各選択肢の検討

a.嗄声:反回神経圧迫で起こり得ますが、上大静脈閉塞の代表症候ではありません。

b.縮瞳:交感神経幹障害で起こり得ますが、本例で最も出現しやすい症候ではありません。

c.脱力感:非特異的な症状で、上大静脈症候群を特定しません。

d.上腕のしびれ:神経叢浸潤で起こり得ますが、上大静脈閉塞の典型所見ではありません。

e.顔面と上肢の浮腫:上大静脈還流障害で静脈圧が上昇し出現しやすい症候です。正答です。

覚えるポイント

上大静脈の圧迫・閉塞では顔面、頸部、上肢の浮腫や表在静脈怒張がみられる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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