第108回医師国家試験 F27(2014年)
正答:d
問題
68歳の女性。両下腿のむくみを主訴に来院した。
現病歴:1か月前から遠方に住む娘の家を訪れている。3週前から靴が窮屈となり、両足のむくみに気付いた。足に痛みや痒みはなく、歩行困難はない。動悸や息苦しさも自覚していない。最近立ち仕事が多かったためのむくみと考えていたが、改善しないため娘の家の近くの診療所を受診した。60歳で高血圧を指摘され、その後、自宅近くのA医院から降圧薬を継続的に処方されている。2か月前に新たな降圧薬が追加となった。来週には帰宅しA医院を受診する予定となっている。
現症:意識は清明。身長154cm、体重52kg。体温36.0°C。脈拍72/分。血圧144/86mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両足背から下腿にかけて軽度の圧痕を残す浮腫を認める。下肢の色素沈着や紫斑を認めない。
担当医は浮腫の原因疾患を同定するために各種の精査を行った結果、今回の浮腫の原因は、A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた。
問題指向型医療記録〈POMR〉の「評価」の記載に該当するのはどれか。
a.「2週後に再診とする」
b.「軽度の圧痕を残す浮腫を認める」
c.「副作用について患者に伝えるべきか悩んでいる」
d.「浮腫の原因は降圧薬の副作用である可能性が高い」
e.「最近立ち仕事が多かったためだと患者は考えている」
正答の理由
POMRの評価(Assessment)は、主観情報と客観所見を踏まえた医師の診断・鑑別診断を記す欄である。降圧薬の副作用が浮腫の原因である可能性が高いという判断が該当する。
各選択肢の検討
a.誤り。再診時期は今後の診療計画(Plan)である。
b.誤り。浮腫の診察所見は客観的データ(Objective)である。
c.誤り。患者への説明方針を検討する記載は評価の診断的判断ではない。
d.正しい。浮腫の原因を降圧薬の副作用と考えるのは、診察・検査後の医師の評価(Assessment)である。
e.誤り。立ち仕事が原因と考えていたことは患者から得た主観情報(Subjective)である。
覚えるポイント
POMRのSOAPでは、Assessmentに医師の診断または鑑別診断を記載する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第108回医師国家試験 F問題(原本)
- 厚生労働省:第108回医師国家試験 正答値表
- University of New Mexico School of Medicine:Template for Clinical SOAP Note Format
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。