薬剤性浮腫に対する診療連携|第108回医師国家試験F26

第108回医師国家試験 F26(2014年)

正答:c

問題

68歳の女性。両下腿のむくみを主訴に来院した。

現病歴:1か月前から遠方に住む娘の家を訪れている。3週前から靴が窮屈となり、両足のむくみに気付いた。足に痛みや痒みはなく、歩行困難はない。動悸や息苦しさも自覚していない。最近立ち仕事が多かったためのむくみと考えていたが、改善しないため娘の家の近くの診療所を受診した。60歳で高血圧を指摘され、その後、自宅近くのA医院から降圧薬を継続的に処方されている。2か月前に新たな降圧薬が追加となった。来週には帰宅しA医院を受診する予定となっている。

現症:意識は清明。身長154cm、体重52kg。体温36.0°C。脈拍72/分。血圧144/86mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両足背から下腿にかけて軽度の圧痕を残す浮腫を認める。下肢の色素沈着や紫斑を認めない。

担当医は浮腫の原因疾患を同定するために各種の精査を行った結果、今回の浮腫の原因は、A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた。

患者への説明や提案として適切なのはどれか。

a.「主治医を変えた方が良いと思います」

b.「病気ではありませんので、様子をみてください」

c.「A医院と連携して解決方法を検討させてください」

d.「追加になった薬の副作用ですので、こちらでは治療できません」

e.「むくみをとる薬を出しますので、A医院の薬に追加してください」

正答の理由

原因薬を追加したA医院へ戻る予定があるため、処方内容と治療経過を共有し、連携して薬剤変更や減量などを検討するのが適切である。薬剤性浮腫と判断しても、患者を放置したり、原因薬を評価せず利尿薬を追加したりするのは適切でない。

各選択肢の検討

a.誤り。主治医を一方的に変更させる必要はない。

b.誤り。薬剤性浮腫は薬の調整が必要となり得る副作用であり、「病気ではない」として放置できない。

c.正しい。追加薬を処方した医療機関と情報を共有し、原因薬の見直しを含む解決方法を相談する。

d.誤り。薬剤性の可能性が高くても、患者に説明して連携・調整を図ることができる。

e.誤り。薬剤性浮腫に利尿薬を安易に上乗せせず、まず原因薬と病態を再評価する。

覚えるポイント

薬の副作用が疑われるときは、処方元と連携して原因薬の調整を検討する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第108回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました