第108回医師国家試験 F14(2014年)
正答:c
問題
家族から聴取した患者の言動のうち、一次妄想と考えられるのはどれか。
a.「夜眠れるかいつも心配しています」
b.「『自分の考えていることが抜き取られる』と言ってます」
c.「『いつもとは何か違って不気味な感じがする』と言ってます」
d.「『気が重くて、自分はつまらない人間だ』と嘆いてばかりです」
e.「難しい哲学的な言葉が多くて、何を言いたいのかわかりません」
正答の理由
「いつもと違って不気味」という、周囲の世界が変化したように感じるが意味をまだ説明できない体験は妄想気分に相当し、一次妄想の一型である。ほかは不安、思考奪取、抑うつ的自己評価、思考のまとまりにくさを示す。
各選択肢の検討
a.誤り。不眠への心配を述べているが、妄想的確信や周囲の意味変容は示されておらず、不安の訴えである。
b.誤り。「考えが抜き取られる」は思考奪取という自我障害・作為体験を示す表現であり、設問の妄想気分とは異なる。
c.正しい。説明できない不気味さや周囲の変化感は妄想気分で、一次妄想に含まれる。
d.誤り。自己評価の低下や気分の落ち込みを述べており、抑うつ症状として理解される。
e.誤り。発言のまとまりにくさ・理解困難を示すが、妄想気分を示す体験内容ではない。
覚えるポイント
妄想気分は、世界が不気味に変わった感覚が先行し、妄想がまだ明確な形をとらない体験である。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 第108回医師国家試験 F問題
- 第108回医師国家試験 正答値表
- Understanding delusions — Kiran C, Chaudhury S. 2009
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。