胸痛の緊急度と鑑別|第108回医師国家試験E36

第108回医師国家試験 E36(2014年)

正答:a・c

問題

36 胸痛の原因を推論する際の考え方として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a.多量の冷汗を伴う胸痛は緊急性が高い。

b.吸気時に増強する胸痛は冠動脈疾患の可能性が高い。

c.胸痛部位に圧痛を示す場合は冠動脈疾患の可能性が低い。

d.夕方に胸痛を訴える場合は冠攣縮性狭心症の可能性が高い。

e.ニトログリセリン錠を舌下投与後 1 時間で胸痛が軽快しはじめる場合は労作性狭心症の可能性が高い。

正答の理由

冷汗を伴う胸痛は急性冠症候群を含む重篤な原因を考えて速やかに評価する。胸壁圧痛や吸気で増悪する痛みは冠動脈虚血の可能性を下げるが、圧痛があっても虚血を完全には否定できない。冠攣縮性狭心症は夜間・早朝に多く、ニトログリセリンの効果も通常は数分でみられる。

各選択肢の検討

a.正しい。多量の冷汗は急性冠症候群を含む重篤な病態でみられる危険徴候で、緊急評価を要する。

b.誤り。吸気で増悪する胸痛は胸膜・肺・胸壁などの原因を示唆し、冠動脈疾患の可能性を高める所見ではない。

c.正しい。胸壁の圧痛で痛みが再現されると冠動脈虚血の可能性は低くなる。ただし急性冠症候群を完全に除外する所見ではない。

d.誤り。冠攣縮性狭心症は安静時、とくに夜間から早朝に起こりやすい。夕方の訴えだけで可能性が高いとはいえない。

e.誤り。舌下ニトログリセリンは通常数分で作用する。投与1時間後に軽快し始めることは労作性狭心症を示す反応ではない。

覚えるポイント

胸痛では冷汗などの危険徴候を見逃さず、痛みの性状は可能性を上下させる所見として使う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第108回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました