第108回医師国家試験 D56(2014年)
正答:a・d
問題
74 歳の男性。胸やけを主訴に来院した。 1 年前から食後に胸やけが出現し、徐々に増悪して夜間に目覚めるようになったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長 165 cm、体重 78 kg。脈拍 76/分、整。血圧 124/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。
血液所見:赤血球 467 万、Hb 14.1 g/dl、Ht 42 %、白血球 6,600、血小板 29 万。血液生化学所見に異常を認めない。上部消化管内視鏡像(別冊 No. 27)を別に示す。薬物治療を開始する予定だが、それ以外に患者から生活上の注意について質問された。生活指導として適切なのはどれか。 2 つ選べ。
a.「体重を減らしましょう」
b.「就寝前に軽食を食べましょう」
c.「食後には横になって休みましょう」
d.「上半身を少し高くして眠るようにしましょう」
e.「症状が出たら前かがみの姿勢をとってみましょう」

正答の理由
食後・夜間に増悪する胸やけと内視鏡像から胃食道逆流症が考えられる。肥満(BMI約28.7)では減量を勧め、夜間症状には上半身を挙上して就寝するよう指導する。
画像の見方
別冊No.27の内視鏡像で食道胃接合部近傍の粘膜障害を確認できる。画像だけから食道炎の重症度は追加判定しない。
各選択肢の検討
a.正しい。過体重・肥満の患者では減量によって逆流症状の改善が期待できます。
b.誤り。就寝前の食事は逆流を促すため、就寝2〜3時間前から食事を避けるよう助言します。
c.誤り。食後すぐ横になると胃内容物の逆流が起こりやすく、食後は臥位を避けます。
d.正しい。夜間症状にはベッドの頭側を挙上する方法が有効です。
e.誤り。前かがみは腹圧を高め、逆流を悪化させ得る姿勢です。
覚えるポイント
胃食道逆流症では体重過多の是正と就寝時の頭側挙上を勧め、就寝前の食事や食後臥位を避ける。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- Impact of head of bed elevation in symptoms of patients with gastroesophageal reflux disease: a randomized single-blind study (IBELGA)
- Weight loss can lead to resolution of gastroesophageal reflux disease symptoms: a prospective intervention trial
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。