第108回医師国家試験 D27(2014年)
正答:c
問題
27 63 歳の女性。腹痛のため搬入された。 2 日前から徐々に増悪する下腹部の持続痛を自覚していたが、本日突然に激痛となり、動けなくなったため救急搬送された。約 5 年前から時々下腹部痛を自覚し、自宅近くの診療所で内服薬を投与されて軽快していた。身体所見では腹部に Blumberg 徴候と筋性防御を認めた。胸腹部エックス線写真で free air を、腹部 CT で free air、腹水貯留および S 状結腸の壁肥厚を認めたため、大腸穿孔による腹膜炎と診断して緊急手術を行った。術式は S 状結腸切除術と人工肛門造設術であった。摘出された S 状結腸の標本の写真(別冊 No. 10)を別に示す。
穿孔の原因となったのはどれか。
a.大腸癌
b.腸結核
c.大腸憩室炎
d.潰瘍性大腸炎
e.大腸ポリポーシス

正答の理由
既往に反復する下腹部痛があり、穿孔したS状結腸標本に憩室炎を示す所見があります。最も考えられる穿孔原因は大腸憩室炎です。
各選択肢の検討
a.大腸癌:誤り。標本に腫瘍性病変を示す所見ではなく、反復性経過と憩室の所見が原因に合います。
b.腸結核:誤り。結核性潰瘍や狭窄を示す情報がなく、標本の所見と合致しません。
c.大腸憩室炎:正しい。S状結腸に好発し、炎症が進展すると穿孔・腹膜炎を起こします。
d.潰瘍性大腸炎:誤り。慢性血性下痢や連続性粘膜炎症の病歴がなく、標本も典型的ではありません。
e.大腸ポリポーシス:誤り。多発ポリープや腫瘍性病変による穿孔を示す所見はありません。
覚えるポイント
S状結腸憩室炎は穿孔性腹膜炎の原因になり得る。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 2020 update of the WSES guidelines for the management of acute colonic diverticulitis in the emergency setting
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。