第108回医師国家試験 C25(2014年)
正答:e
問題
25 80 歳の男性。胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。 6 か月前に多発転移を伴う肺
癌の診断を受けた。「癌に対する積極的な治療は受けない」、「少しでも家族ととも
に過ごしたい」と訴え自宅で療養していた。 1 週前から両側の胸部鈍痛と息苦しさ
とを自覚し、自宅近くの診療所で非ステロイド性抗炎症薬を処方されたが改善しな
いため受診した。疼痛で食欲は低下しているが、食事摂取は可能である。来院時、
意識は清明。身長 168 cm、体重 40 kg。体温 36.0 °C。脈拍 96/分、整。血圧 110/60
mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 %(room air)。
治療として適切なのはどれか。
a.気管挿管
b.免疫療法
c.抗癌化学療法
d.中心静脈栄養
e.オピオイドの投与
正答の理由
多発転移を伴う肺癌による両側胸痛がNSAIDsで改善せず、本人は抗癌治療を望まず家族との時間を優先しています。本人の目標に沿って痛みを評価し、オピオイドを導入して症状を緩和します。気管挿管、抗癌治療、中心静脈栄養は本人の希望や所見に合いません。
各選択肢の検討
a.本人が希望する療養環境に反し、呼吸不全など挿管の適応となる所見も示されていません。
b.本人は積極的な癌治療を望まないと明確に述べています。
c.本人の意向と異なり、症状緩和のための第一選択ではありません。
d.食事は摂取でき、本人の目標にも合わず、中心静脈栄養を開始する根拠はありません。
e.正しい。本人の希望に沿い、癌による胸痛と呼吸苦を和らげるためオピオイドを用います。
覚えるポイント
進行癌の痛みには本人の希望に沿ってオピオイドを導入する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省「第108回医師国家試験 C問題」
- 厚生労働省「第108回医師国家試験 正答値表」
- がん疼痛治療の概要 | 日本緩和医療学会 がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020年版
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。