増大する限局性胃GISTの手術|第108回医師国家試験A43

第108回医師国家試験 A43(2014年)

正答:c

問題

43 64 歳の男性。定期的な経過観察のため来院した。自覚症状はないが、 1 年前の健康診断で GIST〈gastrointestinal stromal tumor〉を疑われ、経過観察のため受診した。 上部消化管内視鏡像(別冊 No. 17A)と腹部造影 CT(別冊 No. 17B)とを別に示す。1 年前と比較して約 1.5 倍の直径であった。腹部造影 CT では胃病変を認めるが、胃以外に異常はない。

治療として適切なのはどれか。

a.抗癌化学療法

b.放射線療法

c.胃局所切除術

d.噴門側胃切除術

e.胃全摘術

No. 17 A の胃内視鏡像と B の腹部造影CT。
No. 17 A の胃内視鏡像と B の腹部造影CT。 / 出典:厚生労働省・第108回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

胃の粘膜下腫瘍が1年間で約1.5倍に増大し、GISTが疑われています。造影CTで胃外病変がなく切除可能な限局性病変であるため、腫瘍を破裂させずに完全切除する胃局所切除が適切です。

各選択肢の検討

a.誤り。転移や切除不能病変では薬物療法を検討しますが、本例は胃に限局し手術可能です。

b.誤り。GISTは放射線感受性が乏しく、限局性で切除可能な病変の標準治療ではありません。

c.正しい。胃壁の病変を被膜ごと完全切除し、正常胃を温存する局所切除が適切です。

d.誤り。噴門側胃切除は広範な胃切除が必要な場合に選択されますが、胃局所切除で完全切除可能な本例には過大です。

e.誤り。胃全摘は病変範囲から必要なく、温存可能な胃を切除する根拠もありません。

覚えるポイント

限局性GISTは腫瘍破裂を避けた完全切除が基本で、胃では非解剖学的な局所切除で正常組織を温存します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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