急性呼吸促迫症候群(ARDS)|第107回医師国家試験I33

第107回医師国家試験 I33(2013年)

正答:b・d

問題

急性呼吸促迫症候群について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.肺の線維化をきたさない。

b.両側肺野の浸潤影を伴う。

c.肺血管透過性の低下を特徴とする。

d.びまん性肺胞傷害の病理像を呈する。

e.敗血症が原因であれば予後は良好である。

正答の理由

ARDSは敗血症・肺炎・外傷などを契機に肺胞毛細血管膜の透過性が亢進して起こる非心原性肺水腫で、画像では胸水や無気肺で説明できない両側性の浸潤影を呈します。病理の基本像はびまん性肺胞傷害(DAD)で、滲出期の後に線維増殖期へ移行します。

各選択肢の検討

a.誤り。滲出期のあと肺胞上皮の増殖と線維化が進む線維増殖期があり、肺の線維化をきたしえます。

b.正しい。Berlin定義の画像基準は「胸水・無気肺・結節で説明できない両側性陰影」です。

c.誤り。ARDSの本態は肺胞毛細血管膜の透過性「亢進」で、低下ではありません(静水圧上昇による心原性肺水腫と区別します)。

d.正しい。びまん性肺胞傷害(DAD)がARDSの基準となる病理像です。剖検研究では臨床的にARDSと診断された例の45%にDADがみられ、重症度が高いほど高率でした(軽症12%、中等症40%、重症58%)。

e.誤り。死亡の多くは敗血症と多臓器不全によるもので、敗血症の存在は死亡率を高める因子です。

覚えるポイント

ARDS=透過性亢進型の非心原性肺水腫:両側浸潤影+病理はびまん性肺胞傷害、のちに線維化しうる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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