B型慢性肝炎の抗ウイルス薬|第107回医師国家試験I23

第107回医師国家試験 I23(2013年)

正答:a

問題

B型慢性肝炎においてB型肝炎ウイルスの増殖を抑制するのはどれか。

a.ラミブジン

b.リツキシマブ

c.副腎皮質ステロイド

d.分岐鎖アミノ酸製剤

e.ウルソデオキシコール酸

正答の理由

ラミブジンは核酸アナログで、HBVの増殖過程の逆転写を阻害してHBV-DNAの複製を抑えます。わが国では2000年に最初の核酸アナログとしてB型肝炎に保険適用され、出題時点(2013年)でもHBV増殖を抑制する薬として正答です。ただし耐性変異が出やすいため、すでに2006年に承認されたエンテカビルが優先され、現在の第一選択はエンテカビル・テノホビル(TDF・TAF)で、ラミブジンは非優先薬です。リツキシマブや副腎皮質ステロイドは免疫抑制によってむしろHBV再活性化を起こしうる薬です。

各選択肢の検討

a.ラミブジン。正しい。核酸アナログで逆転写を阻害しHBV-DNAの複製を抑制します。現在は耐性変異の少ないエンテカビル・テノホビルが第一選択で、ラミブジンは非優先薬です。

b.リツキシマブ。誤り。抗CD20抗体でB細胞を除去し、HBVの再活性化を起こしやすくします。AASLDガイダンスでは、HBs抗原陰性・HBc抗体陽性者にも予防的抗ウイルス薬を勧めています。

c.副腎皮質ステロイド。誤り。免疫を抑えてHBVの増殖を促し、再活性化の原因になります。日本肝臓学会ガイドラインでも副腎皮質ステロイド薬による免疫抑制療法はHBV再活性化のリスクとされ、治療前のHBVスクリーニングとHBV DNAモニタリング、必要に応じた核酸アナログ予防投与が求められます。

d.分岐鎖アミノ酸製剤。誤り。肝硬変の栄養療法や肝性脳症の治療に用いられる製剤で、ウイルス複製には作用しません。

e.ウルソデオキシコール酸。誤り。原発性胆汁性胆管炎(PBC)の第一選択薬などとして使われる胆汁酸製剤で、HBVの増殖を抑える作用はありません。

覚えるポイント

HBV増殖抑制は核酸アナログ(現在はエンテカビル・テノホビルが第一選択)またはインターフェロン。リツキシマブ・ステロイドは再活性化の原因。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第107回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました