拡張型心筋症と虚血性心筋症の鑑別|第107回医師国家試験I7

第107回医師国家試験 I7(2013年)

正答:a

問題

拡張型心筋症と虚血性心筋症の鑑別に最も有用な検査はどれか。

a.冠動脈造影

b.心エコー検査

c.Holter 心電図

d.安静時心筋血流 SPECT

e.血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉測定

正答の理由

拡張型心筋症は、左室拡大と収縮不全を、それを説明できる冠動脈疾患・弁膜症・高血圧などを除外して診断する疾患です。虚血性心筋症は有意な冠動脈病変による広範な心筋障害で同様の左室拡大・収縮不全を呈するため、両者を分ける決め手は冠動脈の有意狭窄の有無であり、冠動脈造影(現在は冠動脈CTも用いる)が最も有用です。答えはaです。

各選択肢の検討

a.正しい。冠動脈造影で有意狭窄・閉塞があれば虚血性心筋症、なければ拡張型心筋症と判断でき、DCMの診断に必要な冠動脈疾患の除外を直接行えます。

b.誤り。心エコーは左室拡大・びまん性壁運動低下・駆出率低下の評価に必須ですが、両疾患とも同様の所見を示し、冠動脈病変そのものは確認できません。

c.誤り。Holter心電図は心室性不整脈や心房細動の検出・突然死リスク評価に用いますが、不整脈は両疾患に共通し病因の鑑別にはなりません。

d.誤り。心筋血流SPECTは負荷を加えて虚血を捉えれば鑑別に役立ちますが、安静時の血流異常はDCMでも線維化の程度に応じて生じるため、安静時像だけでは冠動脈病変の有無を確定できず、冠動脈造影に劣ります。

e.誤り。BNPは心不全の診断・重症度・予後の指標で、両疾患とも上昇するため病因の鑑別には役立ちません。

覚えるポイント

DCMの診断は二次性の除外が前提で、虚血性心筋症との鑑別は冠動脈病変の評価(冠動脈造影・冠動脈CT)で行う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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