妊娠初期の対応(経過観察)|第107回医師国家試験H27

第107回医師国家試験 H27(2013年)

正答:a

問題

25歳の既婚女性。月経周期は30〜40日である。最終月経は昨年の12月1日から5日間で、今年の1月12日に市販のキットで妊娠検査を行ったところ陽性であったため同日受診した。腟鏡診で分泌物は白色少量である。子宮は鵞卵大で軟。経腟超音波像(別冊No. 6)を別に示す。妊娠初期と診断し患者に伝えた。

現時点での対応についての説明として適切なのはどれか。

a.「経過観察とします」

b.「止血薬を処方します」

c.「子宮収縮抑制薬を処方します」

d.「直ちに子宮内容除去術を行います」

e.「本日もう少し診察して分娩予定日を決めます」

経腟超音波像(1 cmのスケール付き)。子宮内に1 cm未満の小さな円形の低エコー域(胎嚢)があり、内部に胎芽は認めない
別冊No. 6 / 出典:厚生労働省・第107回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

最終月経から計算すると受診日は妊娠6週0日相当ですが、月経周期が30〜40日と長く不規則なため排卵が遅れた可能性があり、実際の妊娠週数はそれより短いと考えられます。経腟超音波では子宮内に小さな胎嚢がみられますが、胎芽はまだ確認できません。出血や腹痛はなく、流産と判断できる所見もないため、経過観察として後日再検査し、胎芽・心拍を確認します。分娩予定日は、月経周期が不規則な場合、妊娠初期に胎児が計測できる時期の超音波計測に基づいて決めます。

画像の見方

経腟超音波像で子宮内に高エコーの縁取りをもつ小さな円形の無エコー域(胎嚢)があり、図中の1 cmスケールと比べて径はおよそ1 cm弱。内部に胎芽や心拍は確認できない。卵黄嚢も明瞭ではない。

各選択肢の検討

a.正しい。正常な妊娠初期で異常所見はなく、後日の超音波で胎芽と心拍を確認する経過観察が適切です。

b.誤り。性器出血はなく(分泌物は白色少量)、止血薬の適応はありません。

c.誤り。下腹痛や出血などの切迫流産の症状はなく、子宮収縮抑制薬の適応はありません。

d.誤り。胎芽を認めない小さな胎嚢は妊娠週数が早いためと考えられ、非生存妊娠と確定する基準を満たさないため、子宮内容除去術の適応はありません。

e.誤り。月経周期が不規則で胎芽も計測できない現時点では分娩予定日を確定できず、胎児計測が可能になってから超音波で決定します。

覚えるポイント

月経不順の妊娠初期で胎嚢のみなら異常と決めつけず経過観察。予定日は胎児計測できる時期の超音波で決める。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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