頸椎後縦靱帯骨化症|第107回医師国家試験H25

第107回医師国家試験 H25(2013年)

正答:d

問題

61歳の男性。両手のしびれ感を主訴に来院した。半年前から両手指のしびれ感を自覚していた。徐々に食事動作や書字動作がしにくくなり、歩行時の足のもつれも生じるようになったため受診した。上肢の巧緻性の低下と下肢腱反射の亢進とを認める。頸椎単純エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。

考えられるのはどれか。

a.変形性脊椎症

b.強直性脊椎炎

c.黄色靱帯骨化症

d.後縦靱帯骨化症

e.椎間板ヘルニア

頸椎単純エックス線側面像。上位頸椎の椎体後縁に沿って縦に連なる帯状の骨化陰影がある
別冊No. 5 / 出典:厚生労働省・第107回H別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

両手のしびれ、手指の巧緻運動障害、歩行障害と下肢腱反射亢進は、頸髄の圧迫による脊髄症(頸髄症)を示します。頸椎側面像で、椎体後縁に沿って上位頸椎から縦に連なる帯状の骨化陰影があり、脊柱管が前方から狭くなっています。頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)の所見です。

画像の見方

頸椎側面像で、C2付近から中位頸椎にかけて椎体後縁に沿って縦方向に連なる帯状の高吸収(骨化)陰影があり、脊柱管前後径を前方から狭めている。椎体前縁の架橋や竹様脊柱の所見はない。

各選択肢の検討

a.誤り。変形性脊椎症(頸椎症)は椎間板変性に伴う骨棘形成が主体で、椎体後縁の椎間ごとの骨棘はみられても、複数椎体にわたって縦に連続する帯状骨化は示しません。

b.誤り。強直性脊椎炎は20〜40歳代に多く、炎症性腰背部痛と仙腸関節炎で始まる疾患で、上肢の巧緻運動障害で発症する本例や椎体後縁の帯状骨化とは合いません。

c.誤り。黄色靱帯は椎弓の間を結ぶ脊柱管後方の靱帯で、その骨化は単純X線側面像で椎間孔後縁に嘴状・塊状に突出する像として見えます。本例の骨化は椎体後縁に接して縦に連なっており、黄色靱帯骨化症の像ではありません(黄色靱帯骨化はOPLLに合併することもあります)。

d.正しい。椎体後縁に沿う縦長の骨化陰影と頸髄症状から、頸椎後縦靱帯骨化症と考えられます。

e.誤り。椎間板ヘルニアは単純エックス線写真で髄核の脱出自体は写らず、椎体後縁の連続する骨化陰影の説明になりません。

覚えるポイント

頸髄症状+頸椎側面像で椎体後縁に沿う縦長の骨化は後縦靱帯骨化症(OPLL)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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