医療過誤の説明と謝罪|第107回医師国家試験H23

第107回医師国家試験 H23(2013年)

正答:e

問題

33歳の女性。不安感、不眠および頭重感を主訴に来院した。初診時、外来担当医は、患者に対して抗不安薬であるジアゼパム2 mg、1日3回の内服処方のつもりで処方箋を交付した。2週後、患者によると不眠と頭痛とは軽減したが、日中の眠気が強くふらつきが出るという。電子カルテ上の履歴を確認したところ、ジアゼパムが1回2 mgではなく5 mg、合計1日15 mgで処方箋が交付されていた。担当医は1日15 mgまでは保険診療での処方が可能であることはあらかじめ知っている。

担当医がまず患者にかける言葉として適切なのはどれか。

a.「薬がよく効いているようなので転倒に注意してください」

b.「前回に調剤の段階で誤って薬の量が多く出てしまったようです」

c.「あなたには少し量が多すぎたかもしれないので薬を減量します」

d.「あなたにはこの薬が合わないようですから種類を変えてみましょう」

e.「前回に処方した薬の量が誤っていました。申し訳ございませんでした」

正答の理由

意図した量(1日6 mg)と異なる1日15 mgの処方箋を担当医自身が交付しており、日中の眠気やふらつきはジアゼパムの用量過多による副作用と考えられます。保険上許容される量であっても、意図しない量を処方したことは誤りです。医療過誤が起きたときは、何が起きたかを事実どおり説明し、責任を認めて謝罪することが求められます(その上で減量と転倒予防などの対応を説明します)。

各選択肢の検討

a.誤り。誤処方による眠気・ふらつきを「よく効いている」とすり替えており、誤りを隠しています。

b.誤り。誤りは処方箋交付の段階で起きており、調剤(薬局)のせいにするのは事実に反する責任転嫁です。

c.誤り。減量自体は必要ですが、患者の体質の問題のように伝えて処方の誤りを説明していません。

d.誤り。薬が合わないのではなく用量の誤りが原因であり、種類の変更は事実を隠す対応です。

e.正しい。処方量の誤りを事実どおり伝え、責任を認めて謝罪しています。

覚えるポイント

自分の処方ミスは事実を説明し、責任を認めて謝罪することから始める。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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