悪い知らせの伝達と患者の希望の確認|第107回医師国家試験H21

第107回医師国家試験 H21(2013年)

正答:b

問題

56歳の男性。食思不振と体重減少とを訴え検査入院となり、病期Ⅳの胃の低分化腺癌と診断された。近日中に家族と面談することになったが、患者本人は「家族には必ず治る状態であると伝えて欲しい」と希望した。

医師の最初の返答として適切なのはどれか。

a.「嘘をつくことはできません」

b.「どうしてそうおっしゃるのですか」

c.「ご家族との面談を中止しましょう」

d.「あなたからご家族にお伝えください」

e.「ご家族にはもっと軽い病状であると伝えましょう」

正答の理由

患者が「家族には治ると伝えてほしい」と希望する背景には、家族に心配をかけたくない、家族の反応が怖いなど、さまざまな気持ちが隠れています。最初の返答では結論(応じる・断る)を急がず、開かれた質問で理由や気持ちを尋ねることが適切です。がん医療のコミュニケーションでは、まず患者の理解や考えを尋ね(Ask)、感情を探る(Explore)ことが推奨されています。

各選択肢の検討

a.誤り。結論として事実と異なる説明はできませんが、最初に拒絶すると患者の不安や本当の希望を聞く機会を失い、信頼関係を損ないます。

b.正しい。開かれた質問で希望の理由や気持ちを尋ね、患者の考えを理解することから始めます。

c.誤り。家族との面談を一方的に中止することは問題の先送りで、患者を支える家族の関与の機会も失います。

d.誤り。病状を家族へ伝える役割を患者だけに負わせることになり、患者の気持ちの理解にもつながりません。

e.誤り。家族へ虚偽の病状説明をすることは誠実さに反し、今後の治療方針の共有も困難にします。

覚えるポイント

悪い知らせに関する患者の予想外の希望には、まず開かれた質問で理由と感情を探る。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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