末梢静脈路確保の手技|第107回医師国家試験H17

第107回医師国家試験 H17(2013年)

正答:c

問題

静脈留置針による末梢静脈路の確保について正しいのはどれか。

a.穿刺する部位は前腕の橈側遠位部を第一選択とする。

b.針の先端をアルコール綿で消毒してから穿刺する。

c.血液の流出を確認後に内針とカテーテル(外筒)とを数 mm 進める。

d.内針を抜去してから駆血帯を外す。

e.カテーテルを抜去した後は穿刺部位をよく揉む。

正答の理由

留置針は内針の先端がカテーテル(外筒)の先端よりわずかに先行しています。逆血(フラッシュバック)を確認した時点では内針先端だけが血管内にあり外筒先端は入っていない可能性があるため、針を寝かせて内針と外筒を一体のまま1〜2 mmほど進めてから外筒だけを血管内へ送り込みます。

各選択肢の検討

a.誤り。手関節に近い前腕橈側遠位部(手首の橈側皮静脈)は橈骨神経浅枝が静脈と交差して走るため、穿刺で神経損傷を起こす危険があり、第一選択にはしません。関節にかかる部位も避けます。

b.誤り。留置針は滅菌済みで、無菌(ノータッチ)操作で扱います。消毒するのは穿刺部位の皮膚で、針先を消毒綿で拭くことはしません。

c.正しい。逆血を確認したら、外筒先端も確実に血管内に入るよう内針と外筒を一緒に数mm進め、その後に外筒のみを進めます。

d.誤り(本問の正答ではない)。厚生労働省の新人看護職員研修の技術指導例では、駆血帯を外してから留置針の先端部分を軽く圧迫し、内針を抜いてすばやく点滴チューブを接続する手順が示されており、出題はこの順序を前提としています。ただしMSDマニュアルでは内針抜去後に駆血帯を外し指で圧迫する順序が記載されており、順序は手順書によって異なります。いずれも外筒の先端側を圧迫して血液の流出を防ぐ点が要点です。

e.誤り。抜去後は穿刺部位をガーゼで押さえて圧迫止血します。揉むのではなく、押さえて止血するのが基本です。

覚えるポイント

留置針は逆血確認後に内針と外筒を一緒に数mm進めてから外筒を送る。手首橈側は橈骨神経浅枝損傷に注意。抜去後は揉まずに圧迫。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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