強迫観念|第107回医師国家試験H7

第107回医師国家試験 H7(2013年)

正答:a

問題

「車を運転していて人をはねてしまったんじゃないかと思うんです。そんなことはないと分かっているんですが、どうしても気になります」という訴えから考えられるのはどれか。

a.強迫観念

b.罪業妄想

c.作為体験

d.滅裂思考

e.妄想着想

正答の理由

「人をはねたのではないか」という考えが意思に反して繰り返し浮かび、本人も「そんなことはないと分かっている」(不合理だと認識している)のに打ち消せず苦痛になっています。不合理性の自覚(病識)を伴う侵入的な考えであり、強迫観念です。加害に関する不安は強迫性障害の代表的なテーマです。妄想は訂正不能な確信である点で異なります。

各選択肢の検討

a.正しい。不合理と分かっていても繰り返し浮かび、打ち消せない侵入的な考えで、強迫観念です。

b.誤り。罪業妄想はうつ病の精神病性の特徴としてみられる「許されない罪を犯した」という妄想で、妄想は明らかな反証があっても保持される誤った確信です。本例のように「そんなことはない」と自ら否定できる訴えとは異なります。

c.誤り。作為体験(させられ体験)は、自分の思考や衝動が外部の力によって押しつけられ操られていると感じる統合失調症の症状で、本例の訴えとは異なります。

d.誤り。滅裂思考は話題が次々とそれて目的を失い、ひどくなると支離滅裂で理解できなくなる思考の障害で、本例の発話は筋道が通っています。

e.誤り。妄想着想は根拠なく突然誤った確信が浮かぶ妄想の一型で、妄想である以上、反証があっても訂正されません。本人が内容の不合理さを自覚している本例とは異なります。

覚えるポイント

不合理と自覚しながら打ち消せない考え=強迫観念。訂正不能な確信なら妄想。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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