第107回医師国家試験 H1(2013年)
正答:d
問題
「臨床研究に関する倫理指針」に基づいた臨床研究について誤っているのはどれか。
a.ヘルシンキ宣言に従う。
b.個人情報の保護に配慮する。
c.臨床研究機関の長の許可を受ける。
d.社会的利益が被験者の福利より優先される。
e.被験者の生命、健康、プライバシー及び尊厳を守る。
正答の理由
出題当時の厚生労働省「臨床研究に関する倫理指針」(平成20年全部改正)は前文で「被験者の福利に対する配慮が科学的及び社会的利益よりも優先されなければならない」と明記しています。dはこの優先順位を逆にしているため誤りです。なお同指針は2015年に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」へ統合され、現在は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」ですが、被験者の福利を優先する原則は変わりません。
各選択肢の検討
a.誤り(正しい記述)。指針は世界医師会のヘルシンキ宣言に示された倫理規範を踏まえて定められており、研究者はこれに従います。
b.誤り(正しい記述)。指針は個人情報保護法などを踏まえ、研究で扱う個人情報の保護措置を研究者・機関に求めています。
c.誤り(正しい記述)。研究責任者は倫理審査委員会の審査を経て、臨床研究機関の長の許可を受けてから研究を実施します。
d.正しい(誤っている記述)。指針は被験者の福利を科学的・社会的利益より優先すると定めており、社会的利益を優先させる記述は逆です。
e.誤り(正しい記述)。指針は研究者の責務として、被験者の生命、健康、プライバシー及び尊厳を守ることを最初に掲げています。
覚えるポイント
臨床研究では、被験者の福利が科学的・社会的利益より常に優先する(ヘルシンキ宣言・倫理指針)。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。