アニオンギャップの計算|第107回医師国家試験G68

第107回医師国家試験 G68(2013年)

正答:b

問題

次の文を読み、66〜68の問いに答えよ。

17歳の男子。交通外傷のため搬入された。

現病歴:乗っていた乗用車が対向車と衝突し、受傷したため搬入された。助手席に座りシートベルトをしていたという。

現症:頭部挫創から軽度の出血を認める。閉眼しており、痛み刺激を加えても開眼しない。顔面蒼白で冷汗を認める。口唇に裂創があり、出血した血液が口腔内に流れ込んでいる。呼吸は促迫しており、頻脈を認める。両上肢を触ると冷たく、湿っている。右下腿は明らかに変形している。病院到着直後に輸液と酸素投与とが実施されている。

血清電解質は、Na+ 135 mEq/l、Cl− 101 mEq/l、HCO3− 18 mEq/lであった。

アニオンギャップはどれか。

a.12 mEq/l

b.16 mEq/l

c.25 mEq/l

d.34 mEq/l

e.52 mEq/l

正答の理由

アニオンギャップ(AG)=Na+ −(Cl− + HCO3−)=135 −(101 + 18)=16 mEq/lです。典型的な値の約12 mEq/l(基準値は測定法・施設で幅がある)より高く、HCO3−も低下しているので、AG開大性代謝性アシドーシスがあります。出血性ショックによる組織低灌流で乳酸が蓄積した乳酸アシドーシスと考えられます。

各選択肢の検討

a.誤り。12 mEq/lはAGの典型的な正常値で、本例の計算値(16 mEq/l)ではありません。

b.正しい。135 −(101 + 18)=16 mEq/lです。

c.誤り。25 mEq/lにはなりません。Cl−とHCO3−の両方を差し引く必要があります。

d.誤り。34 mEq/lは135 − 101で、HCO3−を差し引いていない値です。

e.誤り。52 mEq/lは本例の値から導かれる計算式がない誤った値です。

覚えるポイント

AG=Na −(Cl + HCO3)、正常は約12 mEq/l。ショックの乳酸アシドーシスでAGは開大する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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