第107回医師国家試験 G22(2013年)
正答:c
問題
下肢の区画〈コンパートメント〉症候群の急性期の症候でないのはどれか。
a.疼痛
b.錯感覚
c.皮膚萎縮
d.他動伸展時痛
e.区画内圧上昇
正答の理由
急性コンパートメント症候群は閉鎖された筋区画の内圧が上昇して組織灌流が障害される病態です。外傷の程度に見合わない強い疼痛と、区画内の筋の他動伸展による疼痛増強が早期所見で、続いて錯感覚、麻痺、蒼白、脈拍消失(5P)が出現し、区画内圧測定(約30 mmHg超など)で確定します。皮膚萎縮はこれらの急性期の症候に含まれません。阻血後に壊死組織が治癒すると拘縮が残ることがあります。
各選択肢の検討
a.誤り(急性期の症候)。外傷に不釣り合いな強い疼痛が最も早い症状です。
b.誤り(急性期の症候)。神経の虚血により、疼痛に続いてしびれなどの錯感覚が出現します。
c.正しい(急性期の症候でない)。急性期の症候は疼痛、他動伸展時痛、錯感覚・麻痺・蒼白・脈拍消失、区画の緊満と区画内圧上昇で、皮膚萎縮は含まれません。問題になる後遺症は壊死組織治癒後の拘縮(Volkmann拘縮など)です。
d.誤り(急性期の症候)。区画内の筋を他動的に伸ばすと疼痛が増強する所見は、早期診断に重要です。
e.誤り(急性期の症候)。区画内圧の上昇が病態そのもので、圧測定で診断を確定します。
覚えるポイント
急性コンパートメント症候群は不釣り合いな疼痛と他動伸展時痛で疑い、区画内圧で確定する。蒼白・脈拍消失は遅い所見。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。